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Author:ラボスタッフ
北里大学海洋生命科学部
ミニ水族館
『北里アクアリウムラボ』
学生スタッフ達による日々のあれこれをお届けします。

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こんにちは!
北里アクアリウムラボ13期生の若林です!
GWが始まりましたね!皆さんはいかがお過ごしでしょうか!

さて、今回私がご紹介するのは、採集で採れた不思議な生き物!ならぬ、不思議な物体です…!

北里アクアリウムラボでは展示する生き物たちをスタッフ自ら採集に行き、搬入したりもしています!

そんな採集をするべく、海岸沿いを歩いていると、あるものを拾いました!

コウイカの甲(表)_2023_5_3

んん?

なんだろう…。貝殻にしては大きくて不思議な形だし、、

コウイカの甲(裏)_2023_5_3

ひっくり返してみると、裏面は厚みもあり、年輪のようなものが…。

ますます…???
羽根の化石?!そんな訳ないよな、、ということで、この正体が分からず仕舞いでした、、、。知識不足でお恥ずかしい限りです…。

皆さんは既にお分かりでしょうか…!?


そう、実はこれ、コウイカ Sepia esculenta『甲』(貝殻のようなもの)なのです!詳しくは、外套膜の内部に存在する殻です。

え?イカなのに貝殻があるの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

実はイカは軟体動物として、広くは貝の仲間 なのです!


オウムガイ Nautilidae pompilius などを想像すると分かりやすいかもしれません。
かつては貝殻に守られていた筋肉が外に出て、今度は貝殻を覆うようになったというわけです。
そして、その貝殻の名残として写真のような甲が存在しているのです!面白いですね!


ところで、皆さんが食卓でよく目にするイカの甲というと、一般的にはあの細長いプラスチックの骨の様なものを想像しますよね。
同じイカなのに全然違います…。

それはなぜでしょうか?

では、コウイカとスルメイカ Todarodes pacificus の甲を比較してみましょう。

図にしてみると、このような形になっています!
イカの甲のイラスト_2023_5_3


コウイカ類の甲は、石炭質で硬い殻であるのに対し、
スルメイカなどのツツイカ類の甲は、殻がさらに退化して石炭質ではなくなり、殻皮質のみの『軟甲』と呼ばれるものになったのです。
だから、ふにゃふにゃ曲げることができるのですね!進化とは面白いものです。



また、話は戻りますが、コウイカ類の甲はカルシウムやミネラルが豊富なため、
インコなど動物の補助栄養飼料として『カトルボーン』という名前で販売もされています。
実は皆さんも、今回ご紹介したイカの『甲』をペットショップなどで見かけたことがあったかも知れませんね…!


展示標本の写真_2023_5_3

今回ご紹介したコウイカの甲は、北里アクアリウムラボの標本展示ゾーンに仲間入りしました。
また展示標本におきましてはその他、当館横の標本展示室にも大変珍しい標本が多数展示されていますので、ぜひお越し頂けたらと思います!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


現在北里アクアリウムラボは平日のみ (10:00〜16:00) の予約制となっております。
入館料は無料です。ご予約は、本学部事務室学生課までお問合せください。

ご予約のお問い合わせはこちらから↓
https://www.kitasato-u.ac.jp/mb/faculty/aquarium/

参考文献
・https://www.zen-ika.com/ika/
・https://search.yahoo.co.jp/amp/s/inko.exp.jp/2019/03/06/post-8178/amp/%3Fusqp%3Dmq331AQGsAEggAID
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2023/05/03(水) 13:51 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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